2007年7月29日 ルカ15:22〜32「楽しんで喜ぶのが当然」
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一大決心して家に帰った弟は、父に自分の罪を認め、自分には子として資格がないことを告げました。そして自分を雇い人の一人にしてくださいと言おうとしましたが父はそれを言わせず、すぐに良い着物、指輪、くつを持ってくるように命じました。これらはすべて息子としての資格を表すものでした。父は息子を赦したどころか息子としての資格を回復してくれたのです。それは息子を愛していたからです。私たちの天の父も私たちを愛し、罪を赦すだけでなく、神の子どもとしての特権を与えてくださるのです。 父は早速祝宴を始めます。それは「この息子は死んでいたのが生き返り、いなくなっていたのが見つかったのだから。」(15:24)です。神に背を向け、神から離れて生きている人はみんな霊的には死んでいるのです。私たちが死んでいたのは罪によってです。神は完全に聖い方ですから罪を決してみのがすことが出来ません。罪によって人は神との関係が断絶してしまったのです。その結果いのちを失ったのです。しかし神は私たちのことをあまりにも愛しているので私たちが罪で滅びてしまうことが心が切り裂かれるほどに悲しいのです。ですから私たちを救うために、私たちが受けるべき罪の罰をご自身の御子であるイエス・キリストに与えられました。死んでいた私たちが生き返るためにキリストのいのちという大きな犠牲を神は払われたのです。神から離れた罪人である私たちの罪を赦し、神との関係を回復させるためにキリストは十字架にかかり、神との和解の道を開いてくださいました。自分の罪を悔い改めキリストを信じる者はこの息子のように罪が赦され、神の子どもとして生きるのです。神にとって失われていた存在であった私たちがキリストの十字架によって神のもとに帰ることが出来るのです。 さぁ祝宴が始まりました。みんな弟が帰ってきたことを喜んでお祝いしています。この宴会に参加できるのは何か成功したからとか功績をあげたからではありません。単純にいなくなっていたのが見つかったからお祝いしているのです。神の国における宴会とはそういうものです。本来資格のない者が主賓として招かれているのです。神にとってあなたの存在はそれほどまでに尊いのです。 私たちは自覚しているのでしょうか。以前死んでいたこと、失われた存在であったことを。以前死んでいたことをはっきり自覚できていなければ今生きていることもはっきりしません。 そこに兄が帰って来ました。兄は弟が帰ってきたことで祝宴が開かれていることを聞いて腹を立てました。みんな大いに喜んでいるのに一人ムッとしています。この兄はイエス様が罪人と一緒に食事をしているのを非難したパリサイ人の心を表しています。兄は家に入ろうとはしませんでした。父の恵みの中に入りたくないのです。恵みを拒否しているのです。人が天国に入れないのは罪を犯したからとか、悪いことをしたからではありません。本来天国に入る資格のない者をキリストの十字架によって天国に入れてくださる神の招き、恵みに応答しないから天国に入れないのです。神の恵みを拒むこと、ただそれだけが天国に入れない条件です。自分は正しくないと認めるから入れるのです。しかし兄は自分は正しいと思っていました。 兄は父のそばにいることがどれほどの喜びであるかが分かりませんでした。それどころか父のそばにいることが何か損みたいに感じています。本当は自分も弟のように家を出て好き勝手したかったと思っていたかもしれません。だから好き勝手して、失敗して帰ったきた弟が厳しい罰を受けたら兄は「ざまぁみろ」と思ったでしょうが、逆に赦されて、祝宴まで開いてもらっていることに「なんだ、あいつは得しやがって」と腹を立てているのです。兄は体は父のそばにいても心は弟と同じように心は放蕩し、罪人の心を持っていたのです。 「だがおまえの弟は、死んでいたのが生き返ってきたのだ。いなくなっていたのが見つかったのだから、楽しんで喜ぶのは当然ではないか」(32節)これがイエス様の結論です。楽しんで喜ぶのが当然なのです。イエス様が罪人や取税人たちと食事を取っていた時、喜びに満ちていました。これは探していたものが見つかった満足感の表れです。 礼拝も祝宴も要素があります。「お互いに死んでいたのが今生きている。良かったなぁ。」とお互いに楽しんで喜ぶのが当然なのです。キリストの十字架と復活によって以前死んでいた自分が今生かされていることを神にもっと感謝しようではありませんか。そして私たちにとって礼拝が楽しみとなり喜びになります。(高内寿晴) |
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